出産までのお話

焦る気持ちとカラ回りする結果

周りが次々と妊娠していくのを聞かされると、自分だけひとりぽつんと取り残されたような気分になり、ため息と涙が毎日のように出てくる日々を送っていたようです。
当院に初めて来られた際も、話をしているうちにこみ上げるものがあったようで、涙を流されていました。
この涙が、早く嬉し涙に変わるように、鍼灸とよもぎ蒸しでお手伝いしたいと思ったことを今でも鮮明に覚えています。

 

身体を診て感じたことは「冷え」。

それもとても強力な冷え。

全身の血流が悪く、これを妊娠できる身体にしていくには一年はかかると感じ、そのことを患者さんに伝えました。
患者さんは今すぐに子どもが欲しいと思って鍼灸院に来られたと思いますし、鍼灸院に行くのにもエネルギーがいると思います。
それなのに、こんなことを言われて患者さんはどう思われたかは…。

けれども、これまでは排卵誘発剤を使って卵胞を増やして受精確率を上げる方法で数か月試してみたものの結果が出ない。
そんな状況から、何かをやってみた方が現状から抜け出せるときっと思われたと思います。

 

患者さんの主な特徴
・基礎体温が低い
・高温期が安定しない
・薬の副作用が出やすい
・全身の冷え
・ひどい肩こり、胸と背中のつまり

 

週1回ペースの施術

通院から約5カ月後
下半身の冷えが改善し温かくなっていることを実感
以前は旦那さんから『まるで冷蔵庫の中にいるようだ』と言われていたほど、冷えきった身体が改善してきました。

 

約1年後
まだ、妊娠に至らず。

しかし妊活に対しての気持ちに変化も
妊娠、妊娠と気持ちが行き過ぎ、狭まっていた自分の内側を鍼灸を通して大きく広くしていくことができて、いろんなことを受け入れられる「こころ」と「からだ」に変化していったように感じました。
患者さん自身も、妊活の取り組み方、夫や両親との関係を再構築することができたと話されていました。

 

約1年半後
自然妊娠
病院に行くのをやめてストレスが減少したことが良かったのかも!?

 

妊娠後
つわりの改善・流産予防の施術、妊娠15週以降は月1回くらいの間隔での施術

 

何でも完璧にしたい人ほど妊活に苦しむ傾向にあるように思います。
妊娠しやすいと言われている色んな条件を揃えて、今回は妊娠するぞと思っても妊娠しないことがあって、妊娠条件100点と思っていても、妊娠に結びつかない妊活にどんどんと気持ちが落ち込み、もしかすると間違いがない答えに対して何が間違いだったのかを必死で探してしまうからです。
この患者さんは特にそのような傾向があるように感じたので、そのことを意識して施術をしていました。

鍼灸には、心を守る心包経、外敵から身体を守るバリアをしてくれる肺経など、「こころ」と「からだ」を整えていくことができます。
卵巣や子宮の状態も大切ですが、どこに妊活の出口があるのか見失って苦しんでいる時には、こころやからだを整えることで妊活の出口が見えてくるような気持ちの変化が起きます。

 

初診から2年4か月後
我が子に会えた時にはやっぱり涙。けれども今までとは違う涙。

けらけらと笑う子ども、わんわんと鳴く犬、おひさまの下で一緒にごろごろ。
もうくるくるとカラ回りはしないはず。